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屋外スロープ
2020-07-16
バリアフリーの話が続きましたので、屋外の計画についても少しお話できればと思います。
住宅では一般的にグランドレベルよりもフロアレベルは高く計画する為(地下住戸等を除きます)どうしても外部から玄関に至るまでのアプローチは高低差ができ、階段等の計画とする事が多いです。
ただ、階段があると車椅子等で移動する事が難しい為、ライフステージが変わった時に家族の介護が必要になったり、店舗等では様々なお客様に対応する為、バリアフリーに配慮したアプローチ計画も必要となります。
既存住宅においては、庭のスペースにゆとりがある場合は一部を屋外スロープに改修する事で車椅子でのアプローチに対応する事もできます。下部掲載のY様邸では既存のメイン階段(門扉から)はそのままで、お庭の一部をサブスロープとして改修しました。車椅子等でのアプローチを想定した改修ではありますが、健常者の利用としても使い勝手が向上した例だと思います。
また、O様邸では新築住宅の計画時にご両親の介護を想定したサブエントランスへのアプローチを予め屋外スロープとして計画する事で将来を見据えたプランニングとしてご提案させて頂きました。将来的にはお施主様自身のライフステージの変化に対応するという意味でも、効果的な要素かと考えました。
以前、薬局の計画・施工を行いましたI薬局様のアプローチではメインアプローチをスロープ、サブを階段として計画しました。
店舗の入口に道路からすぐに入るのではなく、スロープで引きをもたせる事でアプローチシーンの演出や壁面を利用した宣伝効果をもたせる等もできます。
ハートビル法の基準では屋外スロープの勾配については1/12という勾配の基準がありますが、限られた敷地の住宅計画等では完全に勾配の基準が満たせなくても、1/10程度ぐらいまでで計画できれば日常的な使い勝手としては許容範囲かと思います。(少し勾配はきつくなりますが車椅子対応としては許容できると思います。)
管理人T